Concept & Story
木の香りで目覚め、木の温もりで眠る
施主様(40代ご夫婦+お子様2名)は「アレルギー体質のお子様のために、化学物質にできるだけ頼らない家を」とお望みでした。ヒノキに含まれるヒノキチオールには抗菌・防腐の働きがあり、塗装や防虫剤に頼らずに高い耐湿性を確保できます。
床・壁・天井にヒノキを使うことで、家じゅうに柔らかな香りが漂います。玄関を開けた瞬間から寝室・浴室の隅々まで、「森の中にいるような」空気に包まれる住まいです。ヒノキの香り成分(α-ピネン)には、副交感神経を穏やかにするリラックス効果があることが知られています。
Material — Hinoki
産地から選ぶ、本物のヒノキ
床材
吉野産ヒノキの無垢板(床)
奈良・吉野産のヒノキを幅広の無垢板のまま張りました。一枚ごとに木目の出方が違うので、同じ床の中に表情の変化が生まれます。素足で歩いたときの温かさと、時間とともに深まる飴色は、無垢材でなければ出せないものです。
構造材
尾鷲ヒノキの構造材(あらわし)
三重県尾鷲産・樹齢80年以上のヒノキを柱と梁に使用。刻み、カンナ仕上げ、ヤニ止めまでを一本ずつ手をかけ、隠さずそのまま見せる「あらわし」で仕上げています。
天井材
ヒノキ無垢の目透かし天井
天井にもヒノキの無垢板を張り、板と板の間にわずかな隙間をとる目透かし張りとしました。塗装をしなくてもヒノキチオールが高い耐湿性を保ちます。
Space & Floor Plan
平屋だからつくれた、ひと続きの大空間
リビング
屋根の形が、そのまま天井になる
平屋の特権は、屋根の勾配をそのまま室内の天井にできることです。小屋組を隠さず見せ、最高部で4.2mの高さをとりました。梁のあいだに落とした一灯が、夜は天井の陰影を引き立てます。壁で細かく区切らないので、南の窓からの光が奥のキッチンまで届きます。
書斎
ヒノキ腰壁の書斎・書庫
ご夫婦それぞれに専用の書斎を設けました。壁一面の本棚と腰壁にヒノキ材を使用。ヒノキの調湿作用が、蔵書にとっても穏やかな環境をつくります。
浴室
ヒノキ風呂 —— ユニットバスでは出せない時間
浴室には、木曽ヒノキの丸桶をそのまま浴槽として据えました。木工職人が一本の材から挽き、たがで締め上げたオリジナルです。まわりは水はけを優先してモルタル塗りと石張りとし、木部は浴槽に絞ることで、香りを保ちながら日々の手入れを軽くしています。
湯を張るたび、ヒノキの香り成分(α-ピネン)が湯気とともに立ちのぼります。一日の終わりをリセットする、この時間そのものが設計の目的でした。
Craft & Construction
尾鷲の山から、大宮の住まいへ
産地直送契約
山から直送する(産地直送契約)
構造材の尾鷲ヒノキは、和彩堂ハウスが契約する三重県尾鷲の山林から直接調達しています。伐採・製材・乾燥・仕上げまでを一貫して任せられるため、中間の流通を省いた分を材の質に回せます。乾燥は最低でも1年以上。人工乾燥で急がず自然乾燥を基本とすることで、木が本来もつ強度と粘りを引き出します。
あらわし仕上げ
構造をあらわしにするための手間
構造材をそのまま見せるには、強度のための配置と、見えたときの美しさを同時に成立させる必要があります。柱と梁の刻み、カンナ仕上げ、ヤニ止めまでを一本ずつ手をかけ、「見せる構造」として仕上げていきます。
80年
構造材に使った尾鷲ヒノキの樹齢。年輪が詰まった芯持ち材だけを選んでいます。
1年以上
製材してから使うまでの自然乾燥の期間。人工乾燥で急がず、木の粘りを残します。
0社
山と現場のあいだに入る中間業者の数。伐採から仕上げまで直接の契約で通します。
8名
墨付けから造作まで手を動かす自社大工の人数。外注に流さず一棟を通します。


