Concept & Story
茶の湯の心を映す、和の住まい
茶道を長く続けてこられたご夫婦(60代)のための和風住宅。「客人を招いてお茶を楽しめる、和のしつらえを大切にした住まいにしたい」というご要望から、瓦屋根の大屋根が低く伸びる、落ち着いた佇まいの平屋を設計しました。
特別な部屋を一つ構えるのではなく、暮らしの中に自然と和の趣が宿ること。和室・囲炉裏・庭との関係を丁寧に組み立て、日常の中で四季と向き合える住まいを目指しました。和彩堂ハウスの設計士と大工が、素材と納まりにこだわって仕上げています。玄関を抜けた先の土間には囲炉裏を一つ切り、木の梁がそのまま趣となる、家族と客人が火を囲む場所を設けました。
Japanese Design
和室と建具の手仕事
主室は、客人を招いてお茶を差し上げるための部屋です。畳の目の向きと縁の柄を部屋の中で通し、どこに座っても線が乱れて見えないように割り付けました。床の間まわりはあえて何も造り込まず、掛物と花を季節ごとに入れ替えられる余白として残しています。しつらえで表情が変わることが、この部屋の役目だからです。
主室と小間、和室とLDKの境はすべて障子と引き戸で仕切りました。開け放てば一続きの大空間に、閉じれば落ち着いた個室に。建具は既製品を使わず、枠の見付け寸法から桟の割り付けまで一棟のために決めています。光を通す障子が、室内にやわらかな陰影を落とします。
8畳
主室の広さ。隣の小間と合わせて一続きにも使えます。
1.8m
床の間の幅。掛物と花を並べても窮屈にならない寸法にしています。
0本
既製品の建具の数。障子・襖・引き戸はすべて建具屋との製作です。
8名
墨付けから造作まで手を動かす自社大工の人数。外注に流さず一棟を通します。
Garden & Architecture
庭とつながる住まい
玄関・格子戸
木格子の引き戸が迎える、静かな玄関
組子を入れた木製の格子戸と、深い軒が架かる石張りの玄関ポーチが来客を静かに迎えます。格子越しに漏れる光、白玉砂利の帯、脇に据えた大ぶりの水甕。茶道を嗜むご夫婦の暮らしにふさわしい佇まいをつくりました。
植栽・アプローチ
建物と庭を一体で計画
庭は建物の配置と合わせて計画。低木と地被植物、石を組み合わせ、各部屋の窓からそれぞれ違う景色が望めるようにしました。手入れのしやすさにも配慮しています。
庭に開くリビング
光と緑を取り込む明るい居間
庭に向かって大きく開いたリビングは、木製建具と白い壁で明るくまとめた空間。掃き出し窓いっぱいに緑が広がり、室内にいながら庭の中にいるような開放感があります。来客時にはくつろぎの応接としても使えます。
軒下の縁側を通って各部屋へ。雨の日も濡れずに移動できる動線は、日本建築の知恵を受け継いだものです。


