Concept & Story
大屋根の下、二つの暮らし
親世帯(70代ご夫婦)と子世帯(40代ご夫婦+お子様2名)が、程よい距離感で暮らせる二世帯平屋。「完全分離だと寂しいし、完全同居だと息が詰まる」というお悩みから、玄関は共用、水回りは各世帯独立という半分離型を提案しました。
瓦の大屋根が両世帯をひとつ屋根の下に包み込む設計。各居室を中庭側に向けて配置し、採光・通風・プライバシーを確保。親世帯は南側の明るいエリア、子世帯は落ち着いたエリアに配置し、生活リズムの違いにも配慮しました。
Two-Family Planning
独立と共生のバランス設計
共用するところ
玄関はひとつ、そこから左右へ
共用にしたのは玄関だけです。土間から親世帯・子世帯それぞれのリビングへ左右に分かれます。顔を合わせたくない日でも「ただいま」の声だけは届く、その距離感を基準に配置しました。郵便受けと表札は世帯ごとに分け、玄関収納も各世帯専用の枠を確保しています。
分けるところ
水回りは、二つずつ
キッチン・浴室・トイレは各世帯に独立して設けました。朝が早い親世帯と、夜が遅い子世帯。生活リズムが違っても互いに気をつかわずに済みます。光熱費は個別メーターで分け、負担の話し合いが要らない形にしました。
つなぐところ
中庭をはさんで向かい合う
二つの棟を中庭ごしに向かい合わせ、双方に大きな開口を設けました。建具を開ければ光と風が中庭を通って抜け、閉じれば互いの視線は届きません。親世帯の座敷から、庭で遊ぶ孫の姿が見えます。
Central Courtyard
中庭が生む光と風の循環
中庭・坪庭
家族をつなぐ中庭
中庭は6畳ほどのコンパクトなスペース。芝生と低木、飛び石で構成されたシンプルな庭は、子どもたちの遊び場であり、親世帯の憩いの場。各世帯の居室から眺められる配置で、家族の気配を感じられます。
縁側・和室
畳の間で生まれる交流
中庭に面した和室は、二世帯の交流スペース。朝のコーヒー、夕暮れのお茶、孫との外遊びの合間に。座卓を囲みガラス越しに庭を眺めながら、自然と家族が集まる場所をつくっています。
採光・通風
中庭からの光と風
中庭を囲む配置により、全ての居室が中庭に面した窓を持ちます。南北の窓を開けると、中庭を通って風が抜ける。プライバシーを守りながら、明るく風通しの良い家を実現しました。
隣家に囲まれた住宅地でも、中庭があることで開放感を確保。外からの視線を気にせず、カーテンを開けて暮らせます。
Aging in Place
親世帯のバリアフリー配慮
親世帯エリア
寝室・トイレ・浴室を近接配置
親世帯の寝室・トイレ・浴室は、近接して配置。夜中のトイレも安心です。廊下幅は車椅子対応の90cm、ドアは引き戸で開閉しやすく。将来的な介護も見据えた設計です。
和室の落ち着き
畳のある親世帯リビング
親世帯のリビングには一段上げた小上がりの畳コーナーを設けました。腰掛けやすい高さの框で、正座が難しくなっても楽に座れる配慮。框の側面は無垢材で仕上げ、畳の色味と調和させています。段差を活かした足元も、安全に配慮した設計です。
90cm
親世帯エリアの廊下幅。車椅子がそのまま通り、介助者が横に付いても窮屈になりません。
0mm
屋内の段差。あえて残した小上がりの框をのぞき、玄関土間から寝室までフラットにつながります。
12か所
親世帯エリアの建具はすべて引き戸。開けたままにでき、手前に引く動作が要りません。
3.2m
寝室の引き戸からトイレの扉まで。夜中に起きても、廊下を渡らずに行き来できます。


