Concept & Story
必要十分の豊かさ
子育てを終えたご夫婦(50代)が選んだのは、26坪のコンパクトな平屋。「大きな家はもういらない。掃除もメンテナンスも大変。でも妥協はしたくない」というご要望から生まれた、ちょうどいいサイズの木の家です。
26坪でも狭さを感じさせない秘訣は、動線計画と収納設計。キッチンからダイニング、リビング、寝室、洗面を経てキッチンへ戻る回遊動線をつくり、通り抜けるだけの廊下を持たない間取りにしました。省いた廊下の面積をそのままLDKへ回し、16畳を確保しています。
壁面を活用した造作収納で床面積以上の収納力を確保し、家具は背の低いものでそろえました。南北の窓をバランスよく配置することで、隣家に囲まれた敷地でも風が抜け、日中は照明に頼らずに過ごせます。ヒノキの無垢床とオーク材の造作家具で、広さではなく質感で満たす住まいです。
26坪
延床面積86㎡。ご夫婦お二人が掃除も手入れも無理なく続けられる広さです。
16畳
LDKの広さ。26坪の中でいちばん面積を割いた、暮らしの中心です。
0m
通り抜けるだけの廊下の長さ。回遊動線にして廊下そのものをなくしました。
3,400万円台
建築費用帯。面積を絞った分を、床材と造作の質へ回しています。
Natural Materials on Budget
コストを抑えた自然素材選び
床材
国産ヒノキ無垢フローリング
床材は国産ヒノキの無垢フローリング。節ありのB材を使用することでコストを抑えつつ、ヒノキの香りと温もりは妥協しません。節は「木の個性」として楽しむ。経年変化で飴色に変化する美しさも魅力です。
壁材
珪藻土塗り壁(調湿・消臭効果)
壁は珪藻土の塗り壁。調湿・消臭効果があり、室内の湿度を適度に保ちます。ビニールクロスより施工費は高いですが、張り替え不要で長期的にはコストパフォーマンスに優れています。
造作家具
無垢材の造作棚とキッチンカウンター
既製品ではなく、大工による造作棚。オープンシェルフに器や道具を並べられる収納計画で、キッチンに立つ時間が心地よくなります。既製品より安く、空間にぴったり収まるサイズ感が魅力です。
棚板は無垢材の一枚板。使うほどに味わいが増す仕上げで、細部にこだわることで既製品では出せない温かみを演出します。
Universal Design
将来を見据えたバリアフリー
段差ゼロ設計
玄関から寝室まで段差なし
平屋の最大のメリットは、バリアフリーが実現しやすいこと。玄関の段差は抑え、室内は完全フラット。車椅子でも移動しやすい廊下幅(90cm)を確保しました。
手すり下地
将来の手すり取り付けに対応
壁の下地には、将来手すりを取り付けられるよう補強材を仕込み済み。トイレ・浴室・廊下の壁には、後からでもビス止めできる構造にしています。写真は先行して取り付けた廊下の手すりで、握りやすい太さと、袖が引っかからない金具を選びました。


